作家別作品集

児童文学・芝田勝茂

国文時代の友人です。

ほかにもたくさんありますが、とりあえず読んだ分だけ。

下は彼のHPのURLです


http://home.u01.itscom.net/shibata/index.htm

著者 お勧め度 内容紹介
夜の子どもたち 芝田勝茂 ある日突然、登校拒否におちいった五人の子どもたち。若きカウンセラーの調べによると、彼らにはある共通の恐怖体験が…。昼とは全く別の顔をもち、夜を異常なまでに恐れる大人たち。暗黒の闇につつまれた町を舞台に、若きカウンセラーと子どもたちが、幾重もの謎に立ち向かう。日記を綴るように一日一章づつ読みながら、11日間の冒険を彼らと共に体験できる、ひと夏の夜の物語。これはなかなか面白く読ませた。
進化論 芝田勝茂 大学院生・祐介が家庭教師をしている少女・美紀が妊娠した。しかも、「処女懐胎」。生まれてくる子は、「神の子」といいはる美紀に、とまどう祐介。はたして本当に「神の子」なのか?それとも、人類とは異なる「なにか」なのか?人類の未来を暗示する衝撃の近未来SF小説。設定に無理があるかな。
星の砦 芝田勝茂 受験戦争が加速度的に低年齢化し、本来ならば受験など意識しないで、伸びやかな学校生活が楽しめるはずの小学生さえも、塾通いが当たり前のようになりつつある現在である。そういった状況を、学校教育の現場で先取りするかのような小学校を舞台に、それに疑問を抱いた小学生の、子どもならではの反発をベースに、困難な闘いを未来の宇宙戦争と重ね合わせて、SF的に展開してみせる作者の現状認識と問題意識は、この物語のリアリティーともなっている。…彼らに同調する若い女教師と共に、子どもたちの闘いが始まる。難しいテーマを扱いながら、後半のSF的展開も含めて、面白く読ませる仕掛けも十分な意欲的な作品である。(産経新聞書評から)枠にはめられたくない子供たちの反乱が実に自然に描かれていてよかった。
きみに会いたい 芝田勝茂 あるとき突然、世界の中で自分はひとりぼっちなのだという、淋しさや孤独感に襲われることがある。自分だけが世界と深く断絶しているのではないかと不安になる。そして無性に人が恋しくなる。そんな気分を癒してくれる、ちょっと不思議なラブストーリー。 …結末には、サリンやオウム事件の昨今だけに、同時代的に深く考えさせられるものがある。(産経新聞書評から)透明感のある文章でいい。
虹へのさすらいの旅 芝田勝茂

児童文芸新人賞受賞
ドーム郡シリーズの第二作
マリオは芝田君の分身のようです。嘘つきで有名だったマリオが、自分の人生を変えるために、「森の民」になって生きていこうと決心する。ところが、その森がいくさに巻き込まれた。
いくさをやめさせるためについてしまったとっさの嘘が、多くの人々を巻き込み、マリオ自身も窮地に立たされてしまう。「いのりの民」の忘れ形見、ラクチューナム・レイを連れて、マリオはアイザリアに戻ることができるのか。化石の谷の亡霊たちの軍隊、ナウマン象の大群などCGでとったら面白い映画になりそう。私が小学生のころにこの本に出会ったら夢中になりそう。
ドーム郡ものがたり 芝田勝茂 ある国の、ある時代に、「ドーム郡」という地方があった。ドーム郡の歴史に大きな影響をあたえた、心やさしい娘、クミルの物語。ドーム郡シリーズ全3巻、芝田君の処女作。稚拙な部分もわずかに見られるが、発想がとてもいい。以下本文から抜粋。
「だが、もしも、そこがだな、小鳥のさえずりとうた声にみちていて、森の木々が 光りかがやき、動物たちがみな、生きていることのたのしさ、すばらしさ、そし てよろこびを、からだいっぱいにあらわしているようだったら、クミル、そこが コノフの森なのだ。だれも、その森に入ったときに、そこがコノフの森だと気づ かない。ただ、あとになって、その森のできごとが、たのしく生きいきと思いだ されてはじめて、ああ、あそこがコノフの森だったと思うんだ。」
近づきつつある危機からドーム郡を救うためコノフを探すクミル。
彼女の勇気はとても私たちを元気付けます。子供にぜひ読ませたい本ですね。